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微量含有成分の分析で県内企業を支援し、魅力ある製品作りに貢献したい 熊本県産業技術センター (1/3)

2016年10月28日

豊かな自然環境に恵まれた熊本県で、醸造食品や加工食品についての技術支援、研究開発を行っている熊本県産業技術センターの食品加工技術室。農業県でもある熊本県で、食品関連企業や農業関連企業のために食品成分分析を担当する同センター 食品加工技術室 研究主任の藤野加奈子様に、その目的や分析方法についてお話を伺いました。

「売れるものづくり」のための
研究開発と技術支援の機関

熊本県産業技術センター

熊本県産業技術センターは、産業技術や農林水産物の加工に関する研究開発、依頼試験、技術支援などを行い、県内産業の振興を図ることを目的にして熊本県が設置した、ものづくり企業を支援するための技術支援機関です。「工業試験場」と言った方がわかりやすい方もいらっしゃるかもしれませんが、熊本県産業技術センターも、1922年(大正11年)に工業試験場としてスタートしています。その後、食品部、工芸部、土木試験部、電子部などができ、2007年(平成19年)に熊本県の3つの機関が統合して、現在の「熊本県産業技術センター」になりました。  

同センターでは、熊本県の産業全体を一つの会社に例え、その会社全体が『売れるものづくり』を行えるように、技術支援、研究開発、人材育成、産学官連携などに取り組む『技術部』として県内企業をサポートすることを目的としています。

具体的な実績としては、遠隔監視用ロボットの開発、植物由来保湿性マイクロビーズの開発、焼酎用酵母の開発、みかん果皮を利用したサプリメント開発などの例があります。

この熊本県産業技術センターの食品加工技術室で、微量含有成分の評価技術の構築に関する研究や技術支援を担当しているのが、今回お話を伺った研究主任の藤野加奈子様です。

熊本県産業技術センター
食品加工技術室 研究主任
藤野加奈子様

「熊本県産業技術センターが掲げる『売れるものづくり』というのは、収益に結び付くものづくり支援を意味しています。当センターでは、県内企業の製造技術向上に関する支援はもちろんのこと、現状分析、商品企画、商品設計などといった開発プロセスまでトータルでサポートする伴走型支援に積極的に取り組んでいます。私自身は県産食材のおいしさや機能性に関する試験研究と製品の栄養的特徴の分析・把握による企業支援業務に携わっており、元素分析はそのどちらにも関わる分析技術です。」

当センターは、さまざまな産業の方々が利用しており、藤野様が所属する食品加工技術室では、食品の加工・製造方法の指導(たとえば、瓶詰や乾燥品など農産物の加工試作、酒類のテスト製造など)、製品試作支援(試験販売用サンプルを作るための加工試作用スペースの貸出し)、食品衛生に関する指導、有用微生物の探索や抗菌活性評価など加工から分析評価まで幅広い支援を行っています。  

熊本県は古くから球磨焼酎をはじめ、味噌、醤油、納豆、赤酒など醸造食品の製造がさかんな地域で、産業技術センターではバイオテクノロジー関連技術の開発研究や生産技術指導などに取り組んできました。

また、熊本県では「くまもと県南フードバレー構想」を平成25年に策定し、熊本県南部に位置する八代地域、水俣・芦北地域、人吉・球磨地域などの熊本県南部の地域において、その豊富な農林水産物を活かして、食品・バイオなどの研究開発機能や企業を集積させ、産業の振興と地域の活性化を目指しています。 

熊本県の産業振興策というとゆるキャラの「くまモン」が有名です。

「確かに、くまモンは熊本の人気者で産業振興にとても貢献してくれていますが、くまモンのキャラクターを付けただけの製品では、消費者に長く支持していただくことは難しいと考えています。ロングセラー商品となるには、やはり商品そのものの美味しさや機能性など付加価値が必要だと思います。  私が所属する食品加工技術室では、くまもと県南フードバレー構想や農商工連携、6次産業化の促進を目指して、県内で製造される加工食品や農産加工品の高付加価値化に関する研究開発や受託分析などを積極的に進めています。」